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Uber、インドで国民的人気スポーツ支援を通じたCSRキャンペーンを実施

※この記事は、スポーツビジネスに関する情報に特化したメディア『スポーツ・スポンサーシップ・ジャーナル』より転載しています。

インドの3都市にクリケットコートを建設

配車サービス大手のUberが、今年イングランドとウェールズで開催されたクリケットW杯のパートナーを務めたのに合わせ、インドでCSR(企業の社会的責任)を兼ねた競技支援の取り組みを実施した。

クリケットは日本ではあまり馴染みがないが、競技人口で見ると世界トップ3に入り、特に人口世界2位のインドでは国民的スポーツとして熱狂的な人気を誇っている。ちなみにインドは同大会に出場し準決勝まで勝ち上がった。

近年、インドでは急激な人口増に伴う自動車の増加による大気汚染が社会課題となっており、駐車場も数多く建てられている。それによって、クリケットを子供たちが気軽にできる公園が減り、街から緑がなくなっている事が問題視されている。

この状況を受け、”駐車場ではなく公園を”という意味で#ParksNotParking と銘打ちムンバイ、デリー、バンガロールの3都市にクリケットのできる公園を建設した。また、Uberを利用しての相乗りは、交通量減少となり社会課題の解消につながる行動であるとSNSで発信している。

CSR施策で競合と差別化し、インドでのビジネス展開を図る

Uberがこのような大規模キャンペーンを展開した背景には、インドを重要なマーケットとして位置付けていることが挙げられる。同社は、2016年に中国から事業撤退、2018年3月には東南アジア事業を競合のGrabに売却することを発表しており、アジア展開は好調ではない。しかし、米国の経済誌『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によれば、人口が多く成長可能性の高いインドでの事業は堅持する方針で、ビジネス展開に積極的に取り組んでいるという。

そして最大の競合は、インドに本社を構えるOla社だ。Uberはインド国内の約40都市で展開しているが、Olaは約125都市で展開しており大きくリードされている。そのため、競合との差別化を図る上で、国民的スポーツであるクリケットの環境整備は大きなアピールとなる。さらにW杯のスポンサーとなり、大会中にプロモーションを展開できることで、より多くの露出が期待できる。

また、今回はインドの社会課題の啓蒙にも寄与していることからCSRの側面もある。最終的には、Uberの利用=環境に配慮した選択という意識付けをし、積極的なサービス利用者を増やすことが狙いだろう。自社がスポーツの競技発展に寄与する取り組みは数多くあるが、それに加えて社会課題の啓蒙にまで繋げている事例は多くない。スポーツを社会課題に絡めることで、そのインパクトが増大し、より多くの人々に知ってもらえる可能性が高まる。今回のUberは好事例と言えるだろう。

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